工程の流れから
施工工程
先ほどさびの発生と塗膜の劣化についてご説明しましたが、端的にいえば鉄が空気に触れるからです。
鉄をさびさせないようにするには、鉄を空気から遮断することです。鉄に塗装された塗膜は空気から遮断され

きれいな色調で保護されています。しかし、長い年月を経るうちに「さまざまな要因」と自然の経時変化によって

塗膜劣化を生じ,塗膜が破壊されてその部分にさびの発生を見るのです。

たとえば、ある衝撃を与えた傷塗膜が剥れ鉄が露になり、雨が降っただけでさび汁がでるものです。

機械式駐車場の装置にはボルト締めや手の入りにくい狭隘部が多くあります。複雑ですから組立の時から鉄が塗膜で

十分に空気から遮断されていないために、さびの発生が多く見られます。

駐車場の塗装は「厳しい塗膜条件」をクリヤさせることが必要だと述べました。

このことは装置が長期間塗膜によって空気から遮断され続けられなければならないことです。

私たちは十分にさび落としのできない箇所や、あまりにもひどく錆びている箇所、狭隘箇所等に毛細現象のように

鉄と旧塗膜の間に浸透する樹脂を選択したり、雨水の溜まる装置には耐水性のある湿気硬化型ポリウレタン樹脂を選択

して耐久性を追及しているのです。

長くなってしまいましたが、以下施工前から完成までの工事の過程をご覧ください。
この施工写真からも私たちの耐久性をめざした塗膜をもとめる姿勢がご理解いただけるでしょう。

写真はクリックすると拡大されます。

マンションの日当たり風とうしのよい敷地内に設置(一部建物内にある)されたピット式の機械式駐車場です。


設置後約9年ではじめての塗替え工事です。


事前調査で地上部はさびの状態はひどい、下段側のパレットはさびもひどく、塵埃等で極度に汚れている。
ピット内の鉄部も狭隘箇所を中心にさび具合はひどいと判断いたしました。
太陽の紫外線(耐候性)、雨風の耐水性、ピット内の耐湿性と防錆効果の高いさび止め樹脂、耐候性に優れている
樹脂の選択をいたしました。

工程 1  素地の調整(高圧水洗浄・脱脂・ケレン・清掃)
特に下段のパレットは塵埃でこびりつき、写真3.4枚目で見るように高圧水で洗浄したところとの比較ができる。
特殊な水溶性脱脂剤を混ぜて脱脂も行います。そしてさび落とし(ケレン)作業です。
工程 2. 特殊浸透性エポキシ樹脂の塗布(淡いうぐいす色の塗膜)
十分なさび落としをしたつもりでも旧塗膜(活膜塗膜)までケレンは行き届きません。ここでは塗膜劣化で生じている
細かなひび割れ、点さび等をもこの特殊浸透樹脂で鉄に同化させるよう化学的に封じ込めます。
また狭隘部等手ケレンで不十分な箇所にもこれを塗布します。
この駐車場装置ではさびの発生もひどいので、車と人の乗るパレットとデッキは全面に塗布して1層目の工程と
しました。

工程 3 浸透性エポキシ樹脂アルミフレ−ク状と変性エポキシ樹脂の塗布


パレット・デッキ上は2層目として浸透性エポキシ樹脂アルミを塗布します。厚膜型で70μの膜厚を目標にします。
防錆力・衝撃性・耐水性・耐油性にすぐれます。
パレットの裏部・枠組みの鉄部は耐蝕性・耐水性に優れた変性エポキシ樹脂(グレ−色)を塗布します。

工程 4  ポリウレタン樹脂仕上げ

ポリウレタン樹脂は耐候性に優れ、磨耗性、衝撃性、耐水性にもその塗膜条件をマッチさせます。
すべての分野に膜厚50μを目標に塗布します。
最後に自主検査として装置の見直しを行います。
工程 5 清掃

ピット内の土間の清掃です。
               

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